続・OutlookをGmailに最適化する方法(他のメール併用)

OutlookでGmailの送受信のみを行うのであればそれほど難しくはありませんが、プロバイダメールや他のフリーメールをすべて「Gmailに集約」させていて、なおかつOutlookからプロバイダメール等を「送信」することもある場合は、Outlookに「ひと手間」かけてあげる必要があります。

具体的にはOutlookで送信したメールをGmailの「送信済みメール」フォルダに同期させる設定が必要です。

おことわり

Outlookでプロバイダメールやその他のフリーメールをGmailとは別のデータフォルダ(.pstファイル)で管理している場合はこのページで紹介する方法を行う必要はありません。

Outlookで使うメールがGmailだけなら、「OutlookをGmailに最適化する方法」をご参照下さい。この記事の内容はOutlookでGmailとGmail以外のメール(プロバイダメールやOutlook.comメールなど)を併用している場合に併せて使うと効果的です。

このページの作業にはOutlookデータファイル「.pstファイル」の変更等が含まれます。操作に自信のない方は作業前にデータファイルのバックアップをしておくことをお勧めします。

モデルケース(最適化後のイメージ)

モデルケース(といっても私のケースですが)では、Gmailの他に、Outlook.comメール、Yahooメール、プロバイダメールを下の図のように使っています。

  1. プロバイダメールやその他のフリーメールをGmailに転送(転送できない場合はWebのGmail設定画面からPOPで受信)
  2. OutlookにGmailをIMAP接続で同期
  3. Gmail以外のメールアカウントをPOPで設定(各メールサービスのsmtpを利用)
  4. カレンダー、タスク、連絡先はOutlookの同期ソフトを使ってGoogleと同期(任意)

各メールの用途は以下のとおり。

  • Gmail
    Gmail以外のメールを集約して、メールをチェックするために使用
  • Outlook.comメール
    メインのメールアドレスをプライベート連絡用、エイリアス機能を使って「買い物用」や「メルマガ用」、「その他」など複数のメールアドレスを使用。メインのアドレスは送信に使うが、エイリアス機能で作成したメールアドレスは基本的に受信のみ。
  • Yahooメール
    今は ほとんど使っておらず、ヤフオクを利用する際に受信のみで使用。
  • プロバイダメール
    仕事など送信・受信両方で使用

Outlookのアカウントとデータファイルの構成

モデルケースにおけるOutlookの電子メールアカウントとデータファイルの構成は以下のとおり。

送信用のメールアカウントはPOP接続で設定するのであれば、いくつ追加しても構いませんが、データファイルは2つ(Gmailの「.ost」とそれ以外の「.pst」)にまとめるのがポイントになります。

アカウントごとにデータファイルを分けるとOutlookの左側のメールフォルダ一覧が見づらくなり不便です。

メール

全てのメールを集約・管理するGmailについてはIMAP接続で設定し、それ以外はOutlookから送信を行うメールについてのみPOP接続で設定します。※なおPOP接続でアカウントを設定しますが、受信はさせず送信部分(SMTP)だけ利用します。

  • Gmail:IMAP接続で設定
  • Outlook.comメール:POP接続で設定
  • Yahooメール:受信専用なのでOutlookでは設定しない
  • プロバイダメール:POP接続で設定

データファイル

データファイルは、「.ost」と「.pst」の2つに集約

Outlookでは、設定したメールアカウントごとにデータファイルを作成して各種データを保存することが出来ますが、メールを全てGmailに集約する場合は アカウントごとにデータファイルを作成する必要はありません

本来ならすべて1つのデータファイルにまとめたいところですが、IMAP接続で設定したGmailのデータファイルは「.ost」形式であるのに対し、POP接続で設定したメールを保存するデータファイルは「.pst」形式なので一緒にすることは出来ません。

そこでGmail以外のデータファイルを1つの「.pst」のデータファイルにまとめます。


ここからは、最適化の手順について具体的に解説していきます。

この記事を読んでいる方は、既に設定済みの箇所も多いと思いますので、適宜読み飛ばしてください。

Gmail以外のフリーメールやプロバイダメール側ですること

あらかじめプロバイダメールやその他のフリーメールアドレス(YahooやOutlook.comなど)で受信したメールをGmailに転送するように設定しておきます。

Outlook側ですること

Gmailおよび併用するメールアカウントのセットアップ

GmailはIMAPで設定して、それ以外はPOPで設定すること。さらにPOPで設定したアカウントのデータファイル(.pstファイル)は一つにまとめるのがポイントです。

データファイル(.pst)を1つにまとめる

Gmail以外のメールを保存するデータファイルが複数にならないように、次の画像を参考にデータファイル(.pst)を1つにまとめます。

メールアカウントを新規に追加する場合

メールアカウントを新規に追加する場合は、新規追加時に既存の「.pst」ファイルを指定できます。

既存のデータファイルが複数ある場合

既存のデータファイルが複数ある場合は、データファイルの保存先を変更して、「既定のOutlookデータファイル」にまとめて一つにします。

  • 古いデータファイル内に各種データ(予定表やタスク、連絡先)が残っている場合は、統合先にデータを移動しておくのを忘れずに。
  • 空になったデータファイルの閉じ方は公式ヘルプ  を参照してください。
送信用アカウントのメールをOutlookで受信しないようにする

念のため送信用アカウントでメールが受信されるのを防止する設定をしておきます。

この設定を行うと、Outlookの「送受信」ボタンをクリックしたときに処理されるアカウントを限定できるため、送信用メールアカウントを複数設定した場合であってもOutlookの動作を軽快に保つことが可能です。

Outlookの画面左上「ファイル」タブをクリック
画面左下にある「オプション」をクリック
Outlookのオプション画面左の「詳細設定」をクリックして、右側の項目「送受信」で「接続したら直ちに送信する」にチェックを入れ、さらに「送受信」ボタンをクリック
「送受信グループ」画面で「すべてのアカウント」を選択し、「編集」をクリック
Gmail以外の送信メールアカウントについて、すべて送受信対象から外します(なお、この設定をしてもメールは送信されます)。
送信済みアイテム(メール)の処理を設定する

Gmail以外の送信用のアカウントについて、送信済みアイテム(メール)の処理を設定します。なお、一部の設定はOutlook2010までとOutlook2013以降で異なりますのでご自身の環境に合わせて実施してください。

クリックすると展開します。

共通する設定

送信済みアイテムをGmailの「送信済みメール」に保存し、ローカルのデータファイル(.pst)には保存させないようにするため、次の画像を参考にOutlookの設定画面でオプションを変更しておきます。

Outlookのオプション画面左の「メール」をクリックして、右側の項目から「送信済みアイテムフォルダにメッセージのコピーを保存する」のチェックを外し、画面右下の「OK」をクリックしてオプション画面を閉じます。

Outlook2010までを使っている場合

Outlook2010で送信済みアイテム(メール)をGmailの「送信済みメール」に保存するには、送信メール用の仕分けルールを作成します。

Outlook2016(おそらく2013も)では送信済みアイテムフォルダに自動保存されたメールの宛先(メールアドレス)情報が消えてしまうバグ(または仕様?)があるため、この方法は利用できません。もちろんご自身の環境で上手くいくようでしたらこの方法がベストです・・・。

「仕分けルールと通知の管理」を開きます
送信用アカウント(Gmail以外)の仕分けルールに切り替える
「新しい仕分けルール」をクリック
「送信メッセージにルールを適用する」を選択して「次へ」をクリック
条件は指定しません(=Gmail以外のすべての送信メールに適用)。
Gmailの「送信済みメール」フォルダをコピー先に指定して「次へ」をクリック
例外条件は特に指定する必要はありません。
適当な名前を付けて「完了」をクリック

Outlook2013以降を使っている場合

Outlook2013以降の場合、送信済みアイテム(メール)をGmailの「送信済みメール」に保存するには、前述の制限(送信済みアイテムフォルダに自動保存されたメールの宛先情報が消えてしまう)があるため、設定が少し面倒です。

基本的な対策としてはOutlookのマクロを作成し、Gmailに対して自動的にBCCでメールを送信させるのですが、どういうわけかOutlook.comメール(@live.jp、@outlook.jp、@hotmail.comなど)についてはPC版のOutlookからBCCを付けて送信しても届かないバグ(仕様?)があるため、別の方法を考える必要があります(2016年2月現在)。

Outlook2016では、Outlook.comメールのBCCが送信できない

2016年2月現在、Outlook2016(おそらく2013も)でPOP設定したOutlook.comメールでBCCを設定してもBCCの宛先にメールが届かないバグ(仕様?)があるようです。

そのため、他のプロバイダメールのようにマクロを使ってGmailに自動でBCCを送信して、「送信済みメール」フォルダに配信させる方法が使えません。

今後改善されるかもしれませんが、それまでの間はOutlook.comのメールアカウント設定で送信メールサーバー(SMTP)をGmailで代替させるなどの対処が必要です。

なお、GmailのSMTPを使って送信したメールはBCCでGmailに送信しなくても「送信済みメール」フォルダに配信されます。

Outlook.comメールアカウント設定画面(追加または変更画面)で送信サーバー欄を「smtp.gmail.com」に変更します。なお、送信サーバー以外はすべてOutlook.comで指示されている値でOKです。変更したら「詳細設定」をクリック
「送信サーバー」タブで、Gmailのアカウントとパスワードを入力。 二段階認証を設定している場合はパスワード欄にアプリパスワードを入力します。
「詳細設定」タブは画像のとおりに設定します。 今回は送信専用なので「サーバーにメッセージのコピーを置く」についてはチェックをしません。

Gmail側ですること

Gmail側で「送信済みメール」フォルダに配信されるようにする

ここまでの作業でOutlookから送信したメールが自動的にBCCでGmailにも送信されるようになりました。

しかしそのままではGmailの「受信トレイ」に配信されてしまう(Gmailのフィルタでは「送信済みメール」に移動できない)ため、BCCでGmailに届いた自分のメールが「送信済みメール」フォルダに配信されるようにする必要があります。

以下の手順でGmailに送信用アカウントを設定すると、Outlookで該当のアドレスから発信したBCCのメールは自分が送信したものとしてGmailに認識され、「送信済みメール」フォルダに配信されるようになります。

Gmailの設定「アカウントとインポート」で、送信用のメールアカウントを追加
Outlookで追加した送信用アカウントと同じもの(自動BCCのマクロを設定した送信用アドレス)を追加。「エイリアスとして扱います」のチェックは外しておきます。※以降は、画面の指示に従って設定します。
自動BCCで送信されるメールを受信トレイに表示させないようにする(フィルタの設定)

Gmailで「送信済みメール」と「受信トレイ」両方に配信される(ラベルがつく)場合は、Gmailのフィルタで差出人が自分のメールアドレスになっているメールについて「受信トレイをスキップ」および「既読にする」処理を行ってください。

ラベルだけの問題なのでメールが重複しているわけではありません。

まとめ

設定すべき箇所がたくさんあるので、初めての方は 大変かもしれませんが、一度設定してしまえばOutlookでGmailの利便性を損なうことなく、Gmail以外のメールアドレスも連携できる快適なメール環境になります。ぜひチャレンジしてみてください。

  • すべての受信メールをGmailにまとめる
  • OutlookにGmailをIMAPで設定する
  • プロバイダメールやその他のフリーメールは送信用アカウントとしてOutlookにPOP接続で設定する(実際に使うのはSMTPサーバーのみ)
  • POP接続で設定した送信用アカウントのデータファイルは一つにまとめる
  • 送信済みアイテム(メール)を自分のメール環境に合わせて、Gmailの「送信済みメール」フォルダに保存させる