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EVOメールサーバー(以下「EVOMS」)に搭載されている Filtrolysis™ は、受信だけでなく送信メールにも対応したメールフィルタです。メールヘッダーおよび本文上のキーワードをフィルタリングし、フィルタリング結果に基づいて指定されたアクションを実行します。
Filtrolysis™は、アンチスパムフィルタよりも高度なフィルタ機能を提供します。※ 通常のアンチスパム機能によるフィルタリングについてはこちらを参照して下さい。
また、正規表現に対応し、多くのキーワードを設定しなくても効率的なフィルタリングを行うことが可能です。※ 正規表現についての詳細は Microsoft Developer Network を参照して下さい。
フィルタルール画面の構成
ルール名
フィルタリングの目的にあったルール名が表示されます(Unicodeで記述)。フィルタルールはアルファベットの昇順で適用されるので、ルール名の最初のアルファベットを変更するだけで簡単に順序を変更することができます。
パフォーマンス (フィルタ適用数:フィルタ試行数)
作成したフィルタ総数に対して実際に適用されたフィルタルールの数が表示されます。適用された比率を見て、不要なフィルタルールを削除する事が出来ます。
New
「新規作成」ボタンをクリックすると、フィルタルールを新規作成することが出来ます。
フィルタテンプレートのダウンロード
EVOMSでは、開発元から一般的なフィルタールールのサンプルをダウンロードして適用することが出来ます。
フィルタルールの作成・編集
フィルタルール作成の基本的な流れは以下のとおりです。 作成したルールは、いつでもオン・オフを切り替えることが出来ます。
ルールの詳細
対象
アカウント名
個別のアカウント(メールアドレス)にルールを適用する場合は、「選択」ボタンをクリックして表示されるダイアログボックスで、対象とするアカウントを選択します。「*」を入力した場合は、全てのアカウントに対して適用されます。
部署
指定した部署に属するアカウントに配信されるメールに対してルールを適用する場合は、「選択」ボタンをクリックして表示されるダイアログボックスで、対象とする部署を選択します。「*」を入力した場合は、全ての部署に対して適用されます。
ドメイン
指定したドメインに属するアカウントに配信されるメールに対してルールを適用する場合は、「選択」ボタンをクリックして表示されるダイアログボックスで、対象とするドメインを選択します。「*」を入力した場合は、全てのドメインに対して適用されます。
フィルタリング条件
ルールの選択と編集(最大 4 ルール)
各ルールは4つの項目で構成されており、左から「タイミング」、「オブジェクト(検証項目)」、「演算子」「変数または値」の順に定義します。1つのフィルタで組み合わせることの出来るルールは最大で4つです。
タイミング
フィルタが発動するタイミングを指定します。
Upon receiving mail
メールを受信した時
Upon sending mail
メールを送信した時
Upon receiving or sending mail
メールを受信または送信した時
Upon duplicating mail into certain IMAP folder
指定したIMAPフォルダにメールを複製した時
オブジェクト(検証項目)
フィルタが検証する項目を指定します。
IP address of connection
メールクライアントが接続を確立しているIPアドレス
Port number for connection
メールクライアントが接続を確立している際に使用されているポート番号
Domain name of connection
接続しているIPアドレスのドメイン名
Connection SPAM flag (0:not a SPAM, 1:Spamhaus, 2:SPF, 3:other, 4:Bad EHLO)
スパムフラグ(次の数字を「値」の欄で指定します。)
- 0:スパムではない
- 1:Spamhausのブロックリストに該当
- 2:SPFレコードの不一致
- 3:その他
- 4:Bad EHLO
EHLO/HELO name used in SMTP connection
SMTP接続で使用されているHELO/ EHLO name
Number of recipients (ENVELOPE)
エンベロープに表示される受信者の数
Non-existing recipients count (ENVELOPE)
エンベロープに表示される存在しない受信者の数
Header Date
メールヘッダーの日付。
「値」の書式例:「Fri, 02 Dec 2011 17:42:49 +0800」
未来のメールをフィルタするために正規表現を使用することもできます。
Header From
ヘッダー情報に記述されているメールの差出人アドレス「From」
Header In-Reply-To
どのメールに対する返信かを示す「message-ID」を指定します
Header To
ヘッダー情報に記述されているメールの受信者(宛先アドレス)「To」
Sender on envelope (ENVELOPE MAIL FROM)
エンベロープに表示される差出人アドレス「From」
Recipient on envelope (ENVELOPE RCPT TO may be multi-value CSV)
エンベロープに表示されるメールの受信者(宛先アドレス)「To」
複数指定する場合はカンマ(,)で区切ります。
Header Bcc (Bcc recipient)
ヘッダー情報に記述されているブラインドコピー先のアドレス「Bcc」
Header Cc (Cc recipient)
ヘッダー情報に記述されているカーボンコピー先のアドレス「Cc」
Header Subject
ヘッダー情報に記述されているメールの件名「Subject」
Header Subject excluding punctation marks (~^{}|,./*- and space)
ヘッダー情報に記述されている、特殊な記号(~^{}|,./*- and space)を除いたメールの件名
String length of header subject (Unicode)
ヘッダー情報に記述されているメールの件名「Subject」のUnicode文字数(=長さ)
ISO CHARSET for mail subject and content
件名および本文に使用されている文字コード
Body text (1st and 2nd part)
本文の第1、第2パート
Raw body text, undecoded
デコード前の本文
Atachment filenames (may be multi-value CSV)
添付ファイル名
複数指定する場合はカンマ(,)で区切ります。
Attachment extension names (may be multi-value CSV)
添付ファイルの拡張子
複数指定する場合はカンマ(,)で区切ります。
Header Content-Disposition
ヘッダー情報に記述されているメールの提示的情報「Content-Disposition」
Header Content-Transfer-Encoding
ヘッダー情報に記述されているメール本文のエンコード形式「Content-Transfer-Encoding」
7bit、8bit、binary、base64、quoted-printableなど
Header Content-Type
ヘッダー情報に記述されているメール本文の種類「Content-Type」
Text/html、Text/plain、Image、Audio、Video、Application、Multipart、Messagなど
Header DKIM-Signature
ヘッダー情報に記述されている電子署名関連のタグ「DKIM-Signature」
参考:DKIM (Domainkeys Identified Mail) IAjapan
Header Message-ID
メッセージを一意に識別するためのID情報「Message-ID」
Header MIME-Version
MIME(multimedia internet mail extension)のバージョン。
通常は「1.0」
Header Recived
メールが配送されたルート
- 書式
Received: from 転送元サーバ by 転送先サーバ [via 接続プロトコル(UUCPなど)] [with 転送プロトコル(SMTPかESMTP)] id ユニークID for 宛先メールアドレス ; 転送日時(※@IT より) - 記述例
Received: from [11.11.111.111] by mail.emailprovider.co.jp via HTTP; Tue, 29 Mar 2005 15:11:45 PST (※Gmailヘルプ より)
Header References
返信やスレッドなどで関連している「Message-ID」
Header X-mailer
差出人が使用したメールクライアントソフト
例:「Microsoft Outlook 14.0」、「Cybozu MailWise 4.x.x」、「Microsoft CDO for Windows 2000」等々
Specified folder name
メッセージの保存されているフォルダ名
This mail has been through (number)th Filtrolysis processes
Filtrolysis™のN番目のフィルタプロセスが完了したメール
Always perform action
無条件でアクションを実行
演算子
- Contain:~を含む
- Not contain:~を含まない
- Equal to:~と同じ
- Not equal to:~ではない
- Greater than:~より大きい
- Smaller than:~より小さい
- RegEx matching:正規表現と一致
変数または値
上記で選択したオブジェクトを比較・検証するための変数または値を入力します。入力するべき値はオブジェクトにより異なります。
アクション
アクションを選択
上記フィルタリング条件にマッチした時に実行するアクションを選択します。
Deleting message
メールを削除します(配信されません)
Forwarding message
SMTPを使ってメールを転送します
Postponing message delivery
メールの配信を約1時間延期します
Moving message to a specified IMAP folder under the same user account
メールを同一ユーザーアカウント内の指定したIMAPフォルダに移動します。
受信トレイには配信されません。
Duplicating message to a specified folder under the same user account
メールを同一ユーザーアカウント内の指定したIMAPフォルダに複製します。
受信トレイにも配信されます。
Moving message to a specified IMAP folder under a specified user account
メールを指定したユーザーアカウント内の指定したIMAPフォルダに移動します
Duplicating message to a specified IMAP folder under a specified user account
メールを指定したユーザーアカウント内の指定したIMAPフォルダに複製します
Treating as spam and move it to SPAM folder under the same user account
メールをスパムとして処理し、同一ユーザーアカウント内のSPAMフォルダに移動します
Flag this TCP connection as SPAM connection
この接続IPからのメールをスパムとしてマークします
Remove SPAM flag for this TCP CONNECTION
この接続IPからのメールをスパムとしてマークしません
Add peer IP address into IP deny list
このメールを配信しているピア端末のIPをIP拒否リストに追加します
Add peer IP address into IP white list
このメールを配信しているピア端末のIPをIP拒否リストに追加します
後でブロックしたい場合は、セキュリティ タブから変更します。
Resending message to the originally specified recipient
メールを当初指定された受信者へ再送します
メールがResentフォルダに配置された時に再送されます。
Putting a remark in message subject
メールの件名に指定した文字列を付加します。
再送や転送メールにも付加されるので注意して下さい。
Insert header (key: value)
メールヘッダーに指定したキーと値を挿入します
書式:「key:value」
Name of file(s) to be removed
ファイル名を削除します
「pre-release-document.doc」のように、機密情報が含まれるようなファイルの名称を削除して、セキュリティを高めます。
Extension or file types of file(s) to be removed
ファイルの拡張子を削除してセキュリティを高めます
Insert text at the beginning of email message body
メッセージ本文の先頭に指定したテキストを挿入します
Append text at the end of email message body
メッセージ本文の最後に指定したテキストを挿入します
Do not archive this email message
このメールをアーカイブしません
Route SMTP outbound traffic through specific IP and custom EHLO name
IPとカスタムEHLO名でSMTPの送信経路を指定します。
アクションがトリガされた場合、フィルタルールの実行を続けますか?
このフィルタのアクションが実行された後に、次のフィルタを実行するかを選択します。