やよいの青色申告で5年以上前のバージョンから最新版に変換するには

弥生 25 シリーズ以降は仕様変更が実施され、データコンバート(変換)できるのはたった2世代前までに限られるようですので、今後はこの記事の方法を使えなくなってしまいそうです。バージョンアップを先延ばしして節約したい派としては「弥生さんそんなにガツガツしないでくれ」と言いたくなりますが、まぁ弥生さんも商売ですから仕方ないですかね(’24.1追記)。

一応個人事業主である私は、確定申告のための会計ソフトには「やよいの青色申告」を使っています。

ごく小規模な免税事業者ということもあり、開業当時からずっとバージョン13で全く不便はなかったのですが、今年から会計業務を電子帳簿保存法に対応させるのに合わせて、昨年最新バージョン(ver.21)を購入したところ、取り込むことができる事業所データは5世代前のバージョン(Ver.16)までで、私のVer.13は対象外という仕様に気が付いたのでした。

※投稿日現在の最新版はver.22

このようなケースだと、対処法は以下の2つです。

  1. 古いバージョンで決算を終えてから、期首に最新バージョンで新しく事業所データを作成し、開始残高を手入力する
  2. 古いバージョンが取込めて、かつ最新バージョンからの取込みにも対応している中間のバージョンを入手し、いったん中間バージョンのやよいの青色申告でデータを変換してから最新バージョンで取り込む

1つめの方法は、作業自体それほど大変ではありませんが、作業できるタイミングが期首に限られてしまうことや、自分で登録した仕訳辞書などが引き継げないので、やはり2つめの方法がお勧めです。

旧バージョンから現行バージョンへの移行手順

5年以上前の やよいの青色申告を現行バージョンに移行させるには以下の手順で事業所データを変換します。

(所要時間:約15分)
  • ここでは、やよいの青色申告13のデータを16を経由して 最新のver.21に移行させる場合を例に解説しています。ご自身のバージョンに適宜置き換えてご覧ください。
  • 消費税等の税制改正の動作検証はしていませんので、該当する方は移行後のデータを入念にチェックすることをお勧めします。
  • 作業は自己責任でお願いします。結果について一切の責任は負いかねますので予めバックアップを取るなどの対策をお勧めします。
  1. 中間バージョンのダウンロード

    最終的な移行先となる最新版から5世代前まで、かつ手元のバージョンから5世代以内の範囲にある中間バージョンの更新プログラムをダウンロードします。

    弥生シリーズ プログラムダウンロード(公式サイト)

    ダウンロードページから使用する中間バージョンをクリックします。
    1.バージョンの選択
    中間バージョンの製品一覧から やよいの青色申告をクリックします。
    2.やよいの青色申告を選択
    更新プログラムの詳細ページの最後の方にあるリンクをクリックしてダウンロードします。
    3.ダウンロード
    • PCの操作に自信がない方は、更新プログラムのダウンロードページに、インストールやデータの変換方法などが書かれているので、あらかじめ目を通しておくことをお勧めします。
    • 各更新プログラムはインストール後30日間体験版として動作します。したがって中間バージョンを使って事業所データを変換するのに費用は掛かりません。もちろん最新版は別途購入する必要があります。
  2. 中間バージョンのインストール

    ダウンロードした中間バージョンは 起動に必要となる最低限のプログラムだけインストールします。

    ダウンロードした更新プログラムをダブルクリック(アカウント制御の画面は「はい」をクリック)します。
    1.インストーラーの実行
    ダウンロードしたプログラムは圧縮されているので 次へ をクリックして解凍します。
    2.ファイルの解凍
    解凍準備中。少し待ちます。
    3.解凍処理
    特に変更しません。次へをクリックします。
    4.解凍先の指定
    インストールメニューが表示されたら「やよいの青色申告のインストール」ボタンをクリックします。
    5.インストールメニュー
    最低限必要なプログラムを確認し、キャンセルボタンをクリックします(下記備考参照)。
    6.インストール内容の確認
    メニューに戻ったら、このメディアを開くをクリックします。
    7.フォルダを開く
    インストール用プログラムの入ったフォルダが開いたら、スライド6のプログラム一覧の順に必要なものだけをインストールします(やよいの青色申告本体が一番最後)。
    8.プログラムのインストール
    プログラムのインストールが終わったらメニューの右下にある終了をクリックします。
    9.インストールメニューを終了

    上記スライド6枚目の補足

    例えば、.Net Framework は既にインストール済みですし、郵便番号辞書や確定申告モジュールは 中間バージョンで過去データを変換するのに不要なのでインストールを省略します。とはいえ、何をインストールすべきかよくわからない場合は上記スライド6枚目で「インストール開始」をクリックして全部インストールしても構いません。

    ※ 全部インストールする場合は、スライド7、8枚目の操作は不要です。

  3. 中間バージョン用にデータ変換

    中間バージョンを起動して、手元にある古い事業所データを中間バージョン用に変換します。

    インストールした中間バージョンを起動します。
    1.中間バージョンの起動
    中間バージョンでのライセンス認証は中止して、やよいの青色申告を起動します。
    2.認証のスキップ
    PC内の古い事業所データを検知すると変換するか聞いてくるので、「はい」をクリックします。
    3.データコンバータの起動
    次へをクリックします。
    4.変換ウィザード
    直近3年分が格納された事業所データファイルが表示されるので、確認したら「次へ」をクリックします。
    5.変換対象の確認
    変換したデータの保存先を変更する必要がなければそのまま「次へ」をクリックします。
    6.保存先の指定
    変換対象と保存先を確認して「開始」をクリックします。
    7.最終確認
    変換処理が完了したら「終了」をクリックします。
    8.変換完了
    指定した保存先に変換後の事業所データファイルがあるかを確認しておきます。
    9.確認

    スライド3枚目のようにデータコンバータが起動しない場合は、やよいの青色申告画面左上の「ファイル」メニューから「開く」をクリックして、変換したい古い事業所データを選択します。

  4. 分離済み単年度データを変換

    分離済みの単年度データがある場合は、ファイルメニューから個別に開いて中間バージョンに変換しておきます。複数のファイルをまとめて変換することはできないため、ファイルの指定&変換実行を繰り返します。

    画面左上のファイルメニューから開くをクリックします。
    1.ファイルを開く
    変換対象のバージョンにチェックを入れ、一覧に表示された分離済みの単年度ファイルを選択して「開く」をクリックします。
    2.選択
    いったん、ステップ3で変換して開いている最新の事業所データファイルを閉じます。
    3.データを閉じる
    ここからの手順は、先ほどのステップ3のスライド4枚目以降とほぼ同じです。
    4.データ変換
  5. 古いバージョンをアンインストール

    事業所データファイルの変換が終わったら、古いバージョンおよび中間バージョンの やよいの青色申告をアンインストールします。

    Windowsのスタートメニューから「弥生 ライセンス認証管理」を起動し、インストールされている古いバージョンをクリックします。
    1.製品の選択
    対象製品を確認して「ライセンス認証を解除する」をクリックします。
    2.解除の実行
    認証解除処理が終了したら「画面を閉じる」をクリックします。
    3.解除完了
    Windowsの設定画面「アプリと機能」を開き、古いバージョのやよいの青色申告(13)を削除します(変更ボタンを使用)。
    4.変更をクリック
    同様に、中間バージョン(16)、弥生のライセンス認証管理も削除しておきます。
    5.完了

    やよいの青色申告をインストールした際、Microsoft Visual C++ 20XXも一緒にインストールされますが、そのまま残しておいても問題ありません。これらは他のプログラムで使用されていることもあるので、詳しい方以外はアンインストールしないほうが無難です。

  6. 最新バージョンのインストールと認証

    購入してきたライセンス付きの最新バージョンをインストールして認証します。必要に応じてe-Taxモジュールもインストールします。

    最新のやよいの青色申告をインストールします。
    1.メニュー画面
    今度はインストール開始ボタンをクリックしてすべてのプログラムをインストールします。
    2.インストール開始
    画面の指示に従ってプログラムをインストールしたら完了をクリックします。
    3.インストール完了
    初回起動時のライセンス認証画面で 認証開始ボタンをクリックします。
    4.ライセンス認証ウィザード
    製品パッケージに記載されている登録番号とシリアル番号を入力して 処理を開始します。
    5.認証番号入力
    認証処理が終わったら画面を閉じます。
    6.認証完了

    最新版のインストールや認証、ユーザー登録方法についての詳細は、公式サイトのヘルプ等を参照してください。

  7. 事業所データを中間バージョンから最新バージョンに変換

    これまでの作業でPC内に中間バージョンに変換した事業所データが存在しています。これを最新版の初回起動時に表示されるデータコンバータを使って最新版に変換します。操作方法自体は中間バージョンでやったのと同じです。

    「はい」をクリックします。
    1.データコンバータの起動
    次へをクリックします。
    2.変換ウィザード
    直近3年分が格納された事業所データファイルが表示されるので、確認したら「次へ」をクリックします。
    3.変換対象の確認
    変換したデータの保存先を変更する必要がなければそのまま「次へ」をクリックします。
    4.保存先の指定
    変換対象と保存先を確認して「開始」をクリックします。
    5.最終確認
    変換処理が完了したら「終了」をクリックします。
    6.変換完了

    データコンバータが起動しない場合は、やよいの青色申告画面左上の「ファイル」メニューから「開く」をクリックして、変換したい中間バージョンの事業所データを選択します。

  8. 分離済み単年度データを中間バージョンから最新バージョンに変換

    中間バージョン用に変換した分離済みの単年度データがある場合は、ファイルメニューから個別に開いて最新バージョンに変換しておきます。このようにしておけば、いつでも最新版のソフトで過去のデータを確認できます。

    画面左上のファイルメニューから開くをクリックします。
    1.ファイルを開く
    変換対象のバージョンにチェックを入れ、一覧に表示された単年度ファイルを選択して「開く」をクリックして変換します(ファイルの数だけ繰り返す)。
    2.選択
    私の場合は7年分の分離データと直近3年分の事業所データです。
    変換結果①
    こちらはマイドキュメント内のYayoiフォルダ。すべて最新版に変換できています。
    変換結果②
  9. 最新年度の事業所データを展開して完了

    すべての変換が終わったら、最後に最新年度(直近3年分)の事業所データを開きなおして作業完了です。