BOSE SoundSport Pulse レビュー 「この装着感、最強。」

エクササイズする時にイヤホンで音楽を聴く方も多いと思いますが、皆さんはどんなイヤホンを使っていますか?

私のエクササイズ用イヤホンに求めるのは ①運動の妨げにならないこと(ワイヤレス) ②少々の雨や汗に耐えうること ③バッテリーの持続時間 ④音質 ⑤価格 で これまでは PLANTRONICS の BACKBEAT GO 2 を使ってきました。

この BACKBEAT GO 2 も 購入当時は上記の基準に照らしながら 吟味して買ったつもりなのですが、使い込んでいるうちに ジョギング中に耳からポロリと外れたりして、どうも私の耳にはフィットしないことが不満になっていました(もちろん製品が悪いというのではなくて 単純に相性の問題です)。

ダイエットに成功して運動をすることが楽しくなってくると 使う道具もレベルアップしたくなるのが人情というもので、新しいイヤホンを物色し始めた矢先に 11月1日に開催されたBOSEの Touch & Try で 個人的な基準を満たした面白いイヤホンに出会いました。

この日のTouch&Tryのメインテーマは、この秋から日本で正式にサービスが開始された音楽配信サービスのSpotifyとWi-Fi対応スピーカー「Bose SoundTouch 10」をはじめとするスピーカーの連携・統合で、こちらもとても充実した楽しい内容だったのですが、私としてはダイエットに最適な心拍ゾーンをチェックしながら高音質で音楽を楽しめる「 BOSE SoundSport Pulse 」がとても気になっていました。

幸い 実機をお借りすることが出来たので、購入するかどうか じっくりレビューさせていただきました。

BOSE SoundSport Pulse を写真でチェック

パッケージ外観と同梱品

パッケージ外観
背面にはMade for iPhone等の認証ロゴも
観音開きの箱を開けるとクールな画像と共に本体がお目見え
本体と付属品一式。本体の他には専用のイヤーチップ、充電用USBケーブル、キャリングケース
同梱のドキュメント類。クイックスタートガイドや 製品保証関連、安全上の注意など。

本体詳細

本体。あらかじめMサイズのイヤーチップが装着されています。
ユニットは比較的大き目な印象。サイズは2.8 cm H x 2.3 cm W x 3.0 cm D で、左右の合計は63.8 g
左側のユニットには心拍を測定するためのセンサー小窓がついています。イヤーチップから覗いている黒い艶のある部分がそれです。
右側のユニットには心拍センサーは付いていません。
かわりにMicroUSBの充電端子は右側のユニットと・・・
電源ボタンとBluetooth、バッテリーのインジケーターランプがあります。
コントローラーは、ケーブルの右ユニット寄りのケーブル上に配置。ボリュームと再生・一時停止、曲送り・戻し、早送り・巻き戻しが可能です。電話着信時には通話制御関連の機能に切替わります。
コントローラーの裏側には通話用のマイク穴とNFCの接続ポイントがあります。
ケーブルの中央部には「ズレ」防止のクリップがあります。ケーブルの長さは、53.3 cm

付属品

イヤーチップは S・M・Lの3種類。柔らかく、装着時に耳を圧迫することはありません。やや埃が付きやすい印象。
本体と同じカラーリングのキャリングポーチはカラビナつきで、スポーツバッグにぶら下げることも。
中には、スペアのイヤーチップを入れておける仕切りもあります。
充電用のMicroUSBケーブルの長さは30cm

BOSE Connect アプリの使い勝手は?

BOSE SoundSport Pulse はBluetoothイヤホンなので OS標準の方法やNFCを使ってBluetooth接続することもできますが、専用のBOSE Connectアプリを使えば、アプリが製品を検知して接続設定まで自動的に実行してくれます。

また、バッテリ節約のための自動OFF機能、音声ガイド(日本語対応)、イヤホン本体のファームウェアのアップデートなどもBOSE Connectアプリによって提供され、イヤホンの機能・性能を最大限に活用するには必須のアプリとなります。

アプリ初回起動と初期設定

BOSE Connect 初回起動時。イヤホンの電源はONにしておきます。
アプリでイヤホンが検知されたら 写真を下にドラッグします。
新規にBluetooth接続するデバイス一覧が表示されたら, SoundSport Pulseをタップ
接続したBOSEイヤホンを BOSE Connectアプリで管理するための名前をつけます。
アプリからの通知(ファームウェアのアップデートなど)を許可するかどうかを選択
ファームウェアのダウンロードが開始されます。 ダウンロード中でも音楽を聴くことは可能です。
ファームウェア更新データのダウンロードが完了したら 画面中央の「更新」をタップします。
更新中は音楽が中断されるので イヤホンを使わない時に実行しましょう。

BOSE Connectアプリでの再生コントロール

イヤホンの写真が表示されるメイン画面下部の黒いエリアで 再生中の音楽をコントロール(再生・一時停止・曲送り・戻し)を行うことが出来ます。

BOSE Connectアプリ自体は音楽プレーヤーの機能を有しているわけではなく、あくまで他の音楽再生アプリ(OS標準、Spotify、Google Play Musicなど)で再生を開始した状態での再生コントロールをアプリ上で表示しているだけで、楽曲の選択やイコライザでの調整などは再生アプリを開いて行う必要があります。

画面下の黒いエリアでは、再生中の音楽のアルバムアートの確認と簡単な再生コントロールが出来ます。エリアをタップすると画面のようにアルバムアートを拡大表示します。
他のプレーヤーアプリで音楽再生していない時は、このような画面が表示されます。

SoundSport Pulse で 心拍数のモニタリング

SoundSport Pulseで計測された心拍数の確認は、純正のBOSE Connectアプリか Appleヘルスケアなどの対応フィットネスアプリを使って行います。

BOSE Connectアプリ以外のアプリで心拍数を確認するには Bluetooth接続設定からイヤホンとは別デバイスとして「HR-Sound Sports Pulse」を追加する必要があります。

SoundSport Pulseが接続され 心拍センサーのある左ユニットを耳に装着している状態で、BOSE Connectアプリを立ち上げると 画面中央に心拍数がリアルタイムで表示されます。
Appleヘルスケアアプリでもリアルタイムで表示されます。

心拍数のモニタリング設定の解説動画

英語音声ですが YouTubeのBose Product Supportチャンネルで設定方法を解説した動画がいくつかありました。

Bose Product Supportチャンネルでは、他にも RunKeeper、Endomondo、Strava、UA Record、MapMyRun などの解説動画があるので興味のある方はどうぞ。

心拍数データを活用するならBOSE Connectアプリよりも他のフィットネスアプリがおすすめ

BOSE Connectアプリでは アプリを表示している時しか心拍数を確認できず、スマホをスリープから復帰した時や バックグラウンドから表示した時は、その都度心拍を再検知する動作がはいるので 瞬時に心拍数を確認するのには不向きです。

さらに計測データをアプリ内に保持しないため、トレーニングのパフォーマンスや 健康管理目的で心拍数データを活用したいなら、前述のフィットネスアプリを使って計測することをお勧めします。

但しフィットネスアプリでモニタリングする場合は、音楽を再生していなくても心拍をモニターし続けるのでイヤホンのバッテリー消費は早くなります。またフィットネスアプリでの心拍モニター中はイヤホンとの通信が常時発生するので、BOSE Connectアプリで電源オフタイマーをセットしていてもイヤホンの電源は自動でOFFになりません(イヤホンの電源をオフにするか、音楽停止状態でイヤホンを耳から外している場合をのぞく)。

心拍測定の安定性能はとても高い

BOSEの方によれば、SoundSport Pulseで採用している耳での心拍測定は 腕などからの測定よりも安定した測定ができるとのことです。

実際に私が使っているPolar A360と比較してみましたが、A360では運動中に異常値(稀に心拍数が不自然に高止まりしたりする)ことがあるのに対して SoundSport PulseではA360で異常値を示しているときでも 正常と思われる値を示しました。

また、スポーツクラブで使っているCybex アークトレーナー(クロストレーナー)の心拍測定機能(グリップ部分が体組成計みたいになっている)を使って比較した時も ほぼ同じ値を示しました。

最後に3つ同時に計測しながら運動の負荷を変えてみると、SoundSport Pulseの値がが最も心拍数の変化に対する追従スピードが速いように感じました(ジムの中は写真撮影禁止なので写真はありません)。

音質

音質については人によって好みがありますが、低音の効いた力強さがあります。

冒頭で述べたPLANTRONICS の BACKBEAT GO 2と同じ曲で聴き比べてみましたが、低いボリュームでも迫力のある音が出ます。ただ、曲によっては低音が効きすぎる嫌いがあるので、その場合はお使いのプレーヤーアプリのイコライザーで調整する必要があるでしょう。

なお、ケーブルが擦れた時に伝わってくるノイズも BACKBEAT GO 2 に比べて格段に小さく、エクササイズ時はもちろん 冬で厚着をしている時でも擦れ音を感じさせないのはポイント高いです。

装着感はかなりイイ!

エクササイズで使用するイヤホンとしてかなり重要なポイントである装着感ですが、これはとても満足できます。

フォトレビューを見ていただくと分かるように 装着するユニット部分はかなり大きく感じるのですが、専用のイヤーチップ(StayHear+ Pulseチップ)がとても良く出来ていて チップのウィング部分が耳の軟骨部分に絶妙にフィットします。

これにより耳の中でユニットのポジションが 激しい運動をした場合でも最適な状態でキープされるらしく、チップの先端部分(音が出る穴の部分)を耳の穴にグイグイ押し込む必要がないので、長時間装着していても耳が痛痒くなることがありませんでした。

前述のBACKBEAT GO 2は 約14gの重量で、SoundSport Pulseの方が遥かに重いはずですが、装着時の快適性はSoundSport Pulseが圧倒的に勝っていました。

もうひとつ、地味なパーツであるケーブルのズレ防止用のクリップは、とても重要です。この「パーツが付いているから買う」ということはさすがにないでしょうが、首の後ろに回したケーブルが偏ると ユニットが引っ張られて装着感が低下しますし、イラっとします。

スポーツ向けイヤホンとしてのBOSEの心配りといったところでしょうか。ただ クリップ自体がケーブルから外れることがあった(引っ張った時に服の方にクリップが残った)ので、紛失防止のためにも今後の改良に期待したいです。

バッテリーの持ちとBluetoothの接続範囲は良好

カタログスペックでは充電に最大2時間(空の状態から15分の急速充電で1時間使用可能)、最大5時間の使用が可能だそうです。

実際に朝の9時から連続再生でどれだけ持つか試してみたところ、夕方4時まで再生できたので、バッテリーのコンディションや使用方法によってはカタログスペック以上の再生時間が可能なのかもしれません。

なお、付属のキャリングケースに代えて、別売のSoundSport charging caseを使えば、最大18時間再生時間を延長可能です。

また、Bluetoothの接続範囲は最大9メートルですが、スポーツジムで直線10メートルでも切断されませんでした。

スマホ本体に近ければ、廊下の角を曲がってもブツブツ切断されることもなかったので、Bluetooth接続はかなり安定していると思います(テストはiPhone7 Plusで実施)。

もちろん通常のエクササイズ使用時にポケットに入れていても切断されることはありませんでした。

まとめ SoundSport Pulse は「買い」か?

SoundSport Pulseは、エクササイズ時の心拍数を記録したい人(特にマラソン・ジョギング系)ならフィットネスアプリと連携して、かなり便利に使えると思います。

しかし、すでに活動量計(Apple WatchとかPolar、Fitbitなど)を持っているなら「Pluse」の心拍測定機能は必要ないかもしれません。もちろん活動量計を持っていないなら、心拍測定機能のある SoundSport Pulse は、高音質で快適な装着感を提供してくれるイヤホン兼心拍計になるので、お得感があるのでは と思います。

心拍測定機能が不要ならば、心拍測定機能を省略したモデル「SoundSport wireless headphones」が良いかもしれません。

こんな機能があれば即買いたい!

また、もしもSoundSport Pulseのファームウェアのアップデートで、例えば「スマホの画面を見ずに、コントローラーのボタンを押せば現在の心拍数を音声で知らせてくれる機能」が付けば、個人的には即買いたいです。

それならリストバンドタイプの活動量計でなく、好きな時計がつけられますし、言うことなしです。