iPhone純正メールアプリでOutlook.comのエイリアスを切り替えて送信する方法

Microsoftアカウントにエイリアス(Outlook.comメール)を追加すると、差出人のメールアドレスをエイリアスに切り替えて送信できますが、iPhone(またはiPad)の純正メールアプリで普通にOutlook.comアカウントをセットアップした場合、差出人は常にプライマリエイリアスのメールアドレスになります。

一般に複数のエイリアスを作成する理由は、受信だけでなく送信・返信にも活用するためであるとか、プライマリエイリアスのメールアドレスを他人に知られないためのどちらかのはずで、iPhone純正メールアプリからエイリアスを切り替えて送信できないのは不合理です。

そこで今回は、この問題を解決するメールの設定方法を解説します。

設定イメージ

普通のエイリアスをプライマリエイリアスと同じように「Outlook.com」から設定してしまうと、メールアプリ内のフォルダが無駄に重複してしまうので、普通のエイリアスは、POPおよびSMTP接続で設定することで必要最低限のフォルダ構造になるようにします。

設定イメージ(禁転載)

わざわざ空のメールアカウントを用意する理由は、プライマリエイリアスと同じ受信サーバーにPOP接続してしまうと、普通のエイリアス用のメールフォルダにも同じメールがダウンロードされてしまうのを回避するためです。

本来なら、送信専用アカウントとして送信サーバだけ設定できれば空のメールアカウントは必要ないのですが、残念ながらiPhoneのメールアプリでは、受信サーバと送信サーバをセットにしないとアカウントを追加できません。

事前準備

常にメールボックスが空っぽのメールアカウント1個を用意

iPhoneに設定したいOutlook.comメールアカウントとは別に、常にメールボックスが空っぽのメールアカウントを1つ用意します。

これは、iPhoneに送信専用アカウントを設定するためで、GmailやYahoo、プロバイダーメールでも構いませんし、新規にOutlook.comメール(Microsoftアカウント)を取得しても構いません。

いずれにしても、iPhoneに設定するOutlook.comメールのエイリアスではなくかつ使っていないメールアカウントが必要です。

POP接続の許可設定

上で別途用意した空っぽのメールアカウントで、POP接続を許可する設定をしておきます。

フリーメールを用意している場合は以下の記事を参考にしてください。

空っぽのメールアカウントで許可するのはPOP接続のみでOKです。今回はOutlook.comのエイリアスで送信するのが目的なので、これらのアカウントのIMAPやSMTPは使いません。

2段階認証を有効にしている場合はアプリパスワードを準備

メインのOutlook.comメールアカウントおよび、別に用意する空っぽのメールアカウントのセキュリティ設定で2段階認証を有効にしている場合は、アプリパスワードを準備しておきます。

設定手順

準備ができたら早速iPhoneを設定していきましょう。

iPhoneの純正メールアプリでOutlook.comのエイリアスを切り替えて送信するには、Outlook.comメールの通常のセットアップに加えて、以下の手順でエイリアス用の送信専用アカウントをセットアップします。

(所要時間:約5分)
  1. 「メール」を開く

    iPhoneの設定アプリ➡メール をタップします。

  2. 「アカウント」を開く

    メール設定画面の中頃にある「アカウント」をタップします。

  3. 「アカウントを追加」をタップ

    アカウント一覧画面で「アカウントを追加」をタップします。

  4. 「その他」を選択

    アカウント追加ウィザード画面では、一番下の「その他」を選択します。

    Outlook.comではないので注意してください。

  5. 「メールアカウントを追加」を選択

    次の追加するアカウントの種類では、「メールアカウントを追加」をタップします。

  6. ダミーの情報をいったん入力

    アカウントの詳細設定画面を表示させるため、いったんダミーの情報を入力します

    メールおよびパスワード入力欄には、画像のように存在しないアドレスとパスワードを、説明欄には「送信専用」と入力します。

    名前欄はメールの受信者に対して表示される部分なので、お好みのものを入力してください。ブランクにすると相手にはメールアドレスのみが表示されます。

    この画面で有効なアカウント情報を入力してしまうと、詳細設定画面をスキップして自動設定されてしまうので、ダミー情報を入力するのがポイントです。

  7. POPタブを選択

    詳細設定画面が表示されたら画面上の「POP」と書かれたタブを選択します。

    POPタブの内容は、「表示設定」、「受信メールサーバ」、「送信メールサーバ」の3つのセクションに分かれています(詳しくはステップ⑦⑧⑨を参照)。

  8. 表示設定の「メール」欄を書き換える

    一番上の表示設定に関するセクションの「メール」欄をステップ⑤で入力したダミーデータからOutlook.comのエイリアスメールアドレスに書き換えます。

    ここで入力するのは、差出人切り替えに使いたいエイリアスのメールアドレスです。プライマリエイリアスではありません。

    複数のエイリアスを切り替えたい場合は、後で追加できるので、ここでは任意の1つだけ入力すればOKです。

  9. 受信メールサーバ情報の入力

    受信メールサーバセクションで、用意しておいた空っぽのメールアカウントのPOP接続情報を入力します。

    画像は使っていないGmailのアカウントを設定した場合の例です。

    GmailやOutlook.comで2段階認証を有効にしている場合はアプリパスワードを入力します

  10. 送信メールサーバ情報の入力

    送信メールサーバセクションで、Outlook.comの送信メールサーバ情報をプライマリエイリアスのユーザー名とパスワードで入力します。

  11. 設定を保存する

    画面右上の「保存」をタップして設定情報を保存します。

  12. 接続テストの確認

    入力した接続情報に誤りがなければ、項目の右側にチェックマークが表示されます。

    エラーが出る主な原因は以下の3つです。

    • 受信メールサーバ(Gmailなど)でPOP接続の許可設定がされていない。

    • 使用しているメールサーバ(メールアカウント)で2段階認証を有効にしている場合に、アプリパスワードではなく通常のパスワードを入力している。

    • 接続情報の入力ミス

  13. 設定完了

    アカウント一覧に送信専用アカウントが追加されたら設定完了です。

    設定した送信専用アカウント(エイリアスメールアドレス)は、メール作成時に「差出人」欄をタップすると選択できます。

複数のエイリアスを切り替えて使う場合

ここまでで、プライマリエイリアスと普通のエイリアス1個を切り替えて使えるようになりました。普通のエイリアスが2個以上の場合は、以下の手順でエイリアスを追加できます。

アカウント一覧画面で、先ほど作成した送信専用アカウントを開きます。
表示設定セクションの「メール」欄をタップします。
設定済みのエイリアスメールアドレスの下にある「別のメールを追加」をタップします。
追加したいエイリアスメールアドレスを入力し、キーボードの「Return」をタップします。
エイリアスが追加されたら設定完了です。なお、削除したい場合は画面右上の「編集」から操作します。

設定後の微調整

自動BCCの設定について

エイリアスから送信したメールは、Outlook.comのプライマリエイリアスの送信済みアイテムフォルダに自動的に保存されています。

iPhoneのメール設定で「常にBCCに自分を追加」のオプションをONにしている場合は、OFFにすることをお勧めします。

設定アプリ➡メールを開きます。
画面を下にスクロールして、「常にBCCに自分を追加」のスイッチをOFFにします。

自動BCCをOFFにしたくない場合は、ブラウザでOutlook.comにアクセスし、メールの設定画面から以下の仕分けルールを設定すると送信メールが受信トレイに着信するのを防ぐことができます。

仕分けルール
  • 条件1:差出人が「エイリアスメールアドレス」
  • 条件2:および自分の名前が「宛先」ボックスにない場合
  • 処理1:メールを削除する
  • 処理2:およびメッセージを開封済みにする
設定画面例

メールアプリのフォルダ整理とメンテナンス

送信専用アカウントフォルダの並べ替え

送信専用アカウントを設定するとiOSのメールアプリに送信専用アカウント用のフォルダが追加されます。このフォルダは基本的に使用しないので邪魔にならないように一番下に移動しておきましょう。

フォルダの並べ替えなどの基本操作は、Apple公式ヘルプを参考にしてください。

参考

iPhoneの「メール」でメールを整理する – iPhoneユーザーガイド

iPhone内に保存されている送信済みメールのクリーンアップ

送信専用アカウントから送信したメールは、Outlook.comの送信済みアイテムフォルダに保存されるほか、iPhoneの送信専用アカウントフォルダ内にも保存されています。

長期間放置しておくと、場合によっては端末の保存容量を圧迫することもあるので、定期的に開いて削除しておきましょう。